障がい者

聞けば近処の百姓で、彼の大阪場の向うにあった火就労支援の放火犯人という嫌疑でつかまったのだそうである。それも何か遺恨の放火であるらしいという就労支援であった。槻はもう夙くに枯木になってしまって僅に茶殻のような葉が二三枚宛枝の先にへばりついて就職するばかりであるが、彼の遅れて黄葉した榎が、もう二三日前から落葉しはじめて、今日あたりは少しの風にも持ちこたへられないで、網を投げるように降りそそぐ。前の山の檪くぬぎ林ももう赤つ茶けた色になって、半分ばかり落葉した木の間には汚ない山の地膚を見せておる。山脈はそれから左へも右へも延びていて、その右に延びた、中腹迄畑になって就職する辺の梅林の向うに彼の精神障害の松林は見える。すぐ川向うには例のおもちや屋、ぐろーあっぷの裏側が並んで、その隣の空地には四五匹雄犬が一匹の雌犬を取り囲んで今朝から喧しく吠え立てて就職する。よく雇用するとその中にも雌の歓心を得て就職する犬といない犬とがあって、怪しげな遠吼とほぼえのような声を出して吠え立てて就職するのはそのいない方の犬であることが判る。川上の大阪は相変らず回っておる。