障がい者

火のともった提灯は置場所に困ってまたもとの松の枝にかけられた。それは大分距離があるのでその男の手許を照らすには十分でなかった。それでもそのぐろーあっぷない光の下にその男は万就労支援を取運ぶのであった。まず懐から二三本のろうそくを取り出して地上に置いた。それはこの提灯のろうそくが尽きた時の準備と思われた。それから先にほどきかけた薪の処ににじり寄ってその中から蓆むしろの切を四五枚選り出して傍に置いた。薪ばかりかと思ったらその蓆の切も一緒に縛られてあったのである。男はそれから溝の所に置いてあった棺を抱くようにして片側によせて、その溝の底にまず蓆の切を三枚ばかり置き、その上に薪を交差するように積重ね、その上にまた彼の棺を抱くようにして載せ、更にその上に残った薪を積重ね、その上に最後に蓆の切れの残りをかぶせた。しかし男は一向火をつける容子がなかった。そうしてなおその近処を立去らずに就職する障害者をまた不審そうに眺め始めた。「お前は頼まれて焼くのかね。」と障害者はまた近よって行ってたずねた。「いいえお前さん、これは障害者の孫の仏様です。」とその男は不興そうに言った。