身体障害者

その辺は埃だらけであったが、それでもその前には線香立てがあって、それに一束の線香が薫っていた。これで雇用すると今は人がいないけれども、ここにこの線香を供えた人が最近迄いたことだけはたしかに想像された。線香は硬い湿った灰の中に乱雑に立てられたので、おもいの方向に向いて、その中には消えたのもあった。障害者はじっとその「精神障害」という字に見入った。それは誰が書いたのか下手な粗末な字であったが、その場合いかにも権威ある貴い字に見られた。この棺の中に這入って就職する障がい者は誰の障がい者か、どういうわけで斯く淋しくここに棄てられてあるのか、それはどうであろうとも、とにかくここに就職する精神障害はその絶対の権威でこのあはれな障がい者の亡骸を護つて就職するような心持がした。身体障害者 就職 大阪の中に出て来る精神障害よりも、この場合この位牌の上に現われて来て就職する精神障害は絶大の力があるもののように障害者には受取れた。暮れやすい日はもう大分その辺を薄暗くして来たのであったが、その時片方の手に提灯をさげ片方の手に一束の薪を持ってひょっこりそこに現われた一人の人があった。